ADHD(注意欠陥多動性障害),アスペルガー・広汎性発達障害に関連する実行機能,セルフコントロールなど

1実行機能・セルフコントロール・行動の抑制力?
「ADHDのすべて」(ラッセル・バークレー著)の本に、ADHD/ADDに関係のある「実行機能」について書かれています。

バークレー博士は、 「ADHDはどうするべきかわからない障害ではなくて、しなければなことはわかっているのに、その通りにできないという障害だと・・・・。

ちょっと止まり落ち着いて考えることが出来ずにいたら、持っている知識もせっかくの知恵も活用できない。過去の経験を参考にして行動をコントロールすることができない・・・」

これらは、実行機能・行動の抑制力に関係するお話で、とても参考になるお話です。また、実行機能は、PDD(広汎性発達障害/アスペルガー/非定型自閉症)の方の中にも、苦手としている方もたくさんいると聞きます。

実行機能については、「ADHDのすべて」(ラッセル・バークレー著)を御一読されることをお薦めします。


2セルフコントロール(行動の抑制)のしくみとは
人間の言語の特異的な部分は、たったひとつの能力の進化だそうです。その能力とは、メッセージまたは経験した事についての、反応または応答の間に時間差をおく事ができる能力だそうです。(数学者ヤコブ・プロノスキー博士の理論をもとに、バークレー博士はADHD/ADDの実行機能を説明しています)

人間は応答する前により長い時間待てます。この力は、即座に応答する衝動を抑えるというより大きな力に由来します。即座の応答を抑えることにより、次の4つのことが可能になるそうです。

行動の抑制ができれば、次の4つの実行機能ができるそうです

1、出来事の事態を評価するために、

(1)情報 / 出来事の客観的情報、出来事の個人的意味合い

(2)情動・感情 / 自分の感情もしくは情動反応(情動とは、感情のうち、ふいにひき起こされた、一時的な怒り、恐れ、喜び、悲しみなど・・)

(1)情報と(2)情動・感情、それらの事態を評価するために、
まず区別し、即座の反応を、抑えて待ち、脳は情報を二つの部分に分ける時間を与えられる・・・そうです。

人間にはこのような能力が備わっていて、この力を発揮すれば与えられた情況に、よりよく対応できるということです。感情的に反応すれば、必ずしもよい結果がでないことを、人は経験でそれを知ってといると・・


3ADHDの子は状況にたいする反応、(1)情報と(2)情動・感情というように区別し、分析しながら抑制するということが苦手・・・。事実から感情を切り離す時間が与えられない?(感情・情動のみ優先すぎる?)ようで・・・、衝動的な行動をしたり、やるべき事ができなかったりするのだそうです。

 ただし、情報から情動を切り離す能力そのものが阻害されているわけではなく、ただあまりにも出来事に対しての反応が早いので、能力を充分に発揮できていないか?、よりよい行動ができないか?のどちらかだそうです。出来事に対しての衝動をコントロールしないで行動するので、感情と事実を分ける時間がないのだそうです。

また、これが長所となり、ADHDの人は、情熱的で、感情豊かとなり(感情・情動が優先なので・・)、その能力をうまく発揮して、職業に生かしたりする事もできるとも言われます。


2、過去の概念をもち、そこから未来の概念をつくりあげる

出来事への反応を遅らせる能力により、
出来事を短期記憶に送り、体験した出来事について考えたり、過去の記憶と照らし合わせて比べるができます。過去の知識を現在の行動に役立てて、失敗から、成功を学ぶというのがあります。

ADHDの人は、時間を知覚(感覚器官を通して外部の物事を判別し、意識するはたらき)する力が弱いので、反応が早すぎて過去の出来事を応用したり、近づきつつある出来事(未来)に対しての準備も足りなくなってしまうそうです。ここでいう反応が早いというのは、常に感情・情動が優先だから・・という意味での反応だと思います。

でもそれが長所となれるのが、未来に対して恐れを抱かない事だそうです。


3、自分に話しかけ、それにより自分の行動をコントロールする

自分に話しかけることによって、自分をコントロールすることについてと、ADHDとの関係は充分な証拠はないそうですが 、ADHDの子供はなぜしゃべりすぎるのか?、つまり多くのことを口に出しすぎているのではないかと・・。自分の感情に対して自自身で言い聞かせたりが苦手なので、感情がすぐに表に出てしまうということにもつながる・・ということだそうです。

また、しゃべりすぎる方もいると思いますが、逆に黙ってしまうということもありますよね。。これも、その人の感情・情動が優先してしまい、何を話したら良いかわからなくなってしまう・・。または、頭の中が混乱していて、うまく話しを引き出せずに、黙り過ぎてしまうこともあると思います・・。


4、取り込まれる情報やメッセージを分解・統合して新たなメッセージや応答として外部に発進する

ADHDの子供に、1つの問題にたいする解決方法を短時間ででたくさん出すようにと実験したところ、他の子供ほどうまくできなかったという研究結果があるそうです。

他の子供ほど対象になることについて、調べたり評価したりしないので、それだけ分析がされていないということであり、新たにその考えを統合することについても、問題解決の策やそれについての想像力も少なくなってしまうとゆう事だそうです。

行動を自分で抑制できないからこそ、外部の環境調整などで補う必要があると・・・。


4実行機能をどのように身に付けていくか・・?
例えば薬の力によって、行動する前にいったん止まって待つ事ができる・・。そのため判断力も伸びるし、自己コントロール力も改善することが出来る・・。

また、内面の働きで行動を抑制することが出来ないので、同じ働きを外部つまり周囲の環境を調整する。

紙に予定を書いて張っておく・・・、生活の枠組みを作っておく・・・が、ADHDの生活にとても良いというのは、この実行機能との関係だ思うと、なぜ枠組みが必要なのかが、理解しやすい気がします。


5実行機能と短期記憶との関係はどうなんだろうか?
事故で怪我をおって短期記憶の部分にダメージを受けた人と、ADHDの人との違いを、リハビリの先生と話した事がありました。

事故で怪我をおって短期記憶にダメージ受けた人は、そこの部分をカバーしようとする意思(いわゆる4つの実行機能)の能力はダメージ受けていないから、いろんな方法を試みて、感情や情動ばかりに流されたりしないし、また行動を分析し、統合するのも出来るので、自分の出来ないところを、フォローしようとすることが、うまく出来るんですよねと・・・。

その姿は、周りからみるととても努力家と見える、前向きの人に見える。でもADHDは、その実行機能に問題あるから、誤解され、理解されるのが難しいのだよねって・・・。