ダブルバインド
先日、ある勉強会で精神障害のお話を聞きました。
そのお話の中で、印象的だったのは、
二重拘束(ダブル・バインド)・・・・
コミュニケーションにおいて、ある意味の内容をもつメッセージを与える一方で、 それと矛盾するメッセージを、続けて与えるとすると、受け手は、その矛盾した内容を、どちらの意味に受け止めてよいのか混乱し、葛藤状態になってしまう。。。
コミュニケーションにおいて矛盾するメッセージが繰り返し提示され、それから逃れることが出来ない状況である。
というのを聞き、とても心に残ってしまった。。
親になると、子どもの好きなように自由に、のびのびと育てたい
→「好きなようにやっていいよ」と言うんだけど、
しつけや社会性を教える必要もあるので、そういう時は、
→「そういう考え(行動)は、ちょっと待って、一緒に考えよう・・」と言いたくなる時ある。。
暖かみのある愛情こもった親子関係で、子どもの気持ちをたくさん肯定している話し合いなら、どこの家庭でもあると思うのだけど・・・・。
(但し、子どもに対し、支配的で、親の思うとおりの行動をとって欲しいゆえに、子どもの気持ち(考え)を、否定してばかりになっているという場合は、ダブルバインドに近くなってしまいます。)
ここで言う「コミュニケーションにおいて矛盾するメッセージが繰り返し提示される」と言うのは、もっと相手の心にとても大きな影響を与えてしまう意味での、二面性のある関わり方のことを言っていて、
メッセージを与える一方で、それと矛盾する(反対な意味の)メッセージを送るというのは、
「こっちへおいで」と言われたので行ったら、「なんて汚いかっこうしてるの!」とか、「行儀が悪い!」といきなり怒られたり・・などの
肯定的なメッセージの後に、否定的要素のあるメッセージが続く状況です。
そしてその矛盾あるメッセージに対し、反論出来ない(もしくはその矛盾について、聞いてはいけない)関係があるのが、ダブルバインドの状況です。矛盾あるメッセージに対し、疑問を投げかけることが出来き、かつ、その矛盾について、お互いにきちんと納得できる話が出来るのであれば、それはダブルバインドの状況にはならないのです。
矛盾ある行為について、聞いてはいけない(もしくは反論出来ない)状況のまま、その矛盾した状況をされ続けられると、聞き手はそのどのような意味に受け止めてよいのか混乱し、葛藤状態になり、もしくは自分の本当の心を、強制的に閉ざされてしまうのです。。
※矛盾ある行為について、聞いてはいけない(もしくは反論出来ない)状況・・・
という関係で多いのは、支配する者/従う者、として何かしらの、上下関係・力関係が伺えます。
つまり、そういった関係の中で、ダブルバインドは、起こりやすいということです。。
複数人から、たくさん矛盾するメッセージを与えられ続けられ、尚且つ自分の考えを言えなくなってしまう状況も、この二重拘束(ダブル・バインド)と同じ状況になるといいます。
「相手を肯定している、受け入れている、というメッセージがあるかと思えば、後から否定の言葉がいともたやすく、相手を否定する言葉や態度をしてくる・・・。相手の心(考え)を、支配的に扱っているように見える」のが、ダブルバインド的な関わりだそうです。
この矛盾ある関わり方(ダブルバインド的な関わり)をしている人のほうは、相手をどれだけ混乱させているか?
・わかっていない、気がついていない場合もあるだろうし、
・相手を混乱させる為に、わざわざしている方もいるかもしれませんし、
・「肯定したくないという気持ちを隠している」ので、「本音の部分(否定している気持ち)が、どこかで表出してしまう」ので、矛盾した態度になっているかもしれませんし、・・
・相手に対し、自分の思い通りに操りたい、どこか支配的な部分がある・・・
どちらにしても、このような矛盾する関わり方を継続されたら、精神的に振り回されてしまうので、こういった関わりに対しては、うまくかわさないと、自分が疲れてしまいますよね。。
会社の中で、上司との関係/職場での人間関係や、その他の人付き合いの中でも、こういう矛盾した二面性のある関係は、多くあると思います。
「ダブルバインド」的な関わり方をして、部下の心理をうまく使っている上司や会社も、現実には多いでしょう。。
「表面では肯定していながら、本当は肯定していない人間関係・・・」 「矛盾だらけのメッセージ・・・」 鬱や神経症の素因を持つ方は、こういった関係はとても苦手な関わりであるようです。
悪意がある・なしに関わらず、こういった肯定・否定の二面性のある関わり方や、矛盾するメッセージなど、され続けられた場合、特に鬱や神経症の素因のある方などにとっては
「常に否定されているというメッセージしか受けることが出来ず、相手との関係で、常に混乱にさらされる為に、強いストレスを感じるようになり、神経症や鬱などの発症に、近づいてしまうということ。。
または、「自分は、否定される行動をとってしまった・・・」と、
とても落ち込み、自分はやはり受け入れてもらえてないと悩む・・
相手に、肯定されるように、とても頑張ってしまう。。
何とか相手に添うようにし、やっと「肯定するようなこと」を言ってもらえる時があるが、
次も、肯定されるようなお返事が返ってくるように
・自分の本当の気持ちを隠して、相手が気に入るようにふるまう。。。
・肯定されたいが為に、自分の本当の気持ちに、どんどん嘘をつく。。
それを何度か繰り返しているうちに、「肯定されたいが為の、自分の心を偽り続ける自我」と
「本当の自分を取り戻そうとする自我」との葛藤が始まり、神経症や鬱などの発症に、近づいてしまうということ。。
今まで、鬱や神経症のたぐいになった人なら、この二重拘束(ダブル・バインド)に近いような「表面では肯定していながら、本当は肯定していない人間関係」を、どこかで経験され、強いストレスを感じた方もいると思います。。
私も、こういった関係で(仕事関係ではなく、あるグループの人間関係の中で)
すごく苦しんで、鬱になったひとりでした。。(ーー;)
「表面では肯定していながら、本当は肯定していない人間関係」、
二面性のある関わりというのは、すごく苦手だといつも思っていたのですが。。
なるほど、、、そもそもこういった行動をとられることじたい、鬱や神経症などの素因のある方には、とても苦手な関わりのされ方なんだと・・・